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実家をリノベーションするメリットとは?注意点も解説
空き家となってしまった実家を、建て替えではなくリノベーションによって再生する選択肢が注目されています。古い家でも、構造や耐久性をしっかり検証したうえでリノベーションすれば、住みやすく快適な住宅へと生まれ変わらせることが可能です。大掛かりな解体工事を伴う建て替えより費用を抑えられるだけでなく、思い出深い家の面影を残しつつ、使い勝手を大幅に向上させられる点も魅力でしょう。 本記事では「実家をリノベーションするメリット」や「工事を進める際の注意点」、「実家リノベーションにかかる費用の相場」、実際のリノベーション事例について解説します。 両親が高齢になって実家のメンテナンスができなくなった、空き家を有効活用して暮らしたい、あるいは子育て世帯として二世帯住宅にするなど、さまざまな動機があるかもしれません。まずはそれぞれのメリットを把握し、リノベーション計画を進めるうえで役立つ知識を確認してみてください。
実家をリノベーションするメリット

リノベーションとは、既存の建物を大幅に改修・再生することで、新築にはない魅力を与えつつ、住まいの性能や快適性を向上させる工事のことを指します。実家をリノベーションすることで得られる主なメリットは以下のとおりです。
メリット①建て替えよりも費用が抑えられる
建て替えの場合は解体費や新築の建設費がかかりますが、リノベーションであれば既存の構造体を活かすため、その分コストが下がる傾向があります。 もちろん、建物の老朽化が激しいと構造補強が必要となる場合もありますが、新築を建てるよりは総じて安く済むケースが多いです。実家の敷地に余裕があり、新築を建てる場合でも似たような費用がかかるなら、まずはリノベーションの見積もりを取って比較してみると良いでしょう。
メリット②補助金の対象となる可能性がある
耐震改修やバリアフリー化、省エネ改修など、特定のリノベーション工事では自治体や国の補助金・助成金制度が活用できる場合があります。 たとえば、住宅の耐震性能を向上させる工事や、断熱リフォームなどは支援制度の対象になることが多いです。適用される制度は地域によって異なるため、自治体や専門の施工業者に確認することが大切です。
メリット③固定資産税を抑えられる
建物を建て替えると、新築として評価されるため固定資産税が高くなる可能性があります。一方、リノベーションの場合、既存の家を改修するので物件の評価額が新築よりも低く抑えられることが多いです。 ただし、リノベーション後の評価額が大幅に上がるような改修だと、固定資産税が上がる場合もあるため、事前に自治体の資産税課に問い合わせると安心です。
メリット④相続税対策になる
実家を相続した際に、活用方法を決めずに空き家状態で放置していると、固定資産税や管理費が無駄にかかってしまいます。リノベーションして居住用の住宅として使用すれば、各種税制優遇が受けられるケースがあります。 たとえば、小規模宅地等の特例によって相続税評価額を減らせる可能性があるため、相続税対策としてもリノベーションは有効です。
メリット⑤土地の購入費がかからない
新たに土地を購入して新築を建てる場合、土地代が大きなコストとなりますが、実家の敷地であればその費用は不要です。地盤調査や造成工事も基本的には不要(もしくは最小限)となるため、新築よりはるかに手厚いコストダウンが期待できるでしょう。
メリット⑥慣れ親しんだ家に住みつづけられる
子どもの頃から家族で暮らしてきた思い出が詰まった実家を、完全に取り壊すのに抵抗を感じる方は少なくありません。リノベーションであれば、思い出の柱や壁面、あるいは庭などを活かしながら、住みやすい現代風の住宅に作り変えることができます。 家全体の雰囲気や家族の歴史が感じられる空間を残せるのは、建て替えにはない大きな利点です。
実家をリノベーションするときの注意点
リノベーションには多くのメリットがありますが、既存の建物を再生させるためには考慮すべきポイントや注意点も多く存在します。 以下では、実家をリノベーションする際に特に気をつけたい点を紹介します。
注意点①住宅性能を見直す
築年数の経った家は、断熱性能や耐震性能が現代の基準に達していない可能性があります。リノベーションを機に、壁や屋根、窓などの断熱性能を向上させたり、基礎や柱などの耐震補強を行うことが望ましいです。 費用はかかりますが、快適性や安全性が大幅に向上し、長期的に見れば光熱費やメンテナンス費の削減にもつながります。
注意点②建物の耐震性や耐久性を考える
特に築年数が古い住宅の場合、耐震性や耐久性に問題がある可能性が高いです。建物が昭和56年以前に建築された場合(旧耐震基準)は要注意です。リノベーション前に専門家(建築士など)による耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を計画しましょう。 施工業者によって、旧耐震基準の家は施工不可にしている場合もあるので、気になる工務店があれば事前に確認をしておくと安心です。
注意点③ライフスタイルに合った間取りにする
子育て世帯や二世帯住宅として住む場合など、家族構成やライフスタイルが変わると必要な部屋数や動線が大きく変わります。既存の間取りを無理に活かすのではなく、生活しやすい導線を考えた間取りに変更したり、収納場所を新たに増やしたりしながら、 将来の生活スタイルを見越したレイアウトにすることが重要です。
注意点④二世帯住宅にする場合はよく検討する
実家をリノベーションして二世帯住宅にするケースも増えています。ただし、キッチンや浴室、玄関などの共有部分をどう設計するかは慎重に検討が必要です。将来的に生活スタイルの違いやプライバシーの問題が生じないよう、居住空間を分ける程度や設備配置をよく考えましょう。
注意点⑤実家の名義を確認する
リノベーションを行う前に、その家の名義が誰にあるのかを明確にしておくことは重要です。相続が発生している場合、複数の相続人が共同名義となっている可能性があります。リノベーションにかかった費用や完成後の利用方法などでトラブルを避けるためにも、事前に名義や所有権を整理し、関係者全員の同意を得ましょう。
注意点⑥現場調査を行う
リノベーション内容を決めるにあたって、建築士や施工業者による現場調査が欠かせません。床下や天井裏、配管・配線の状況など、目に見えない部分にも問題が潜んでいる場合があります。事前の詳細な調査を経て見積もりを作成すれば、追加工事による予算オーバーをある程度回避できます。
注意点⑦業者は慎重に選ぶ
リノベーションの成功は、施工業者の選定に大きく左右されます。実績豊富な会社やリノベーション専門の設計事務所など、信頼できる業者を複数ピックアップし、見積もり内容や提案力を比較検討しましょう。 また、過去の施工事例や口コミ、契約内容の明確さなども選定の基準となります。
実家のリノベーションにかかる費用の相場は?

リノベーション費用は、工事範囲や家の規模、使用する素材や設備、耐震補強の有無などによって大きく変わります。一例として、下記のような費用感が示されることがあります。
- 部分的なリフォーム(キッチン・浴室のみなど):100万円~300万円
- 全面改装のリノベーション(耐震補強・設備一新・内装刷新):500万円~1,500万円以上
築年数が古いほど構造補強や配管・配線の修繕費がかさみ、費用が高額になりがちです。逆に、基礎や構造に大きな問題がなければ、比較的安価に抑えられる可能性があります。必ず 建物の現地調査を行い、詳細なプランと費用を比較・検討することがおすすめです。
リノベーションの事例
ここでは、実家をリノベーションした事例を3つ紹介します。それぞれの事例では、家族構成やライフスタイルに合わせて間取りや設備が大幅に変更され、快適性やデザイン性を高めています。
事例①
築28年を迎えた戸建て住宅が、心を癒す穏やかな住まいへと生まれ変わりました。リノベーションでは、もともとの間取りを大切にしながら、無垢材の床や梁を取り入れることで、木のぬくもりが感じられる心地よい空間に仕上げています。キッチンは以前のL字型からI型へと変更し、レトロな趣のある木製の框パネルをあしらうことで、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を演出しました。 また、畳の小上がりスペースも新たに設けられ、ガラス戸で緩やかに仕切ることで、居心地の良いプライベート空間として活用できるようになっています。
事例②
ダイニングは既存の雰囲気を活かしながら、アクセントクロスを取り入れることで空間にメリハリを加え、インダストリアルなテイストに仕上げました。キッチンやユーティリティには木の質感を取り入れ、温かみのある空間づくりを意識しています。 また、和室は洋室へと変更し、使い勝手の良い脱着式のランドリーポールを2本設置。キッチンや洗面台などの水まわり設備は、既存の配置を活かしつつ新しいものに交換しました。さらに、玄関では下駄箱を取り払って、オープンタイプの可動棚を採用し、靴をすっきりと収納できるよう工夫しています。
事例③
お客様のご祖父母のお家をリノベーションしました。古くて良いものを大切にすることをコンセプトに、元々使われていた家具なども上手に取り入れ、ぬくもりに包まれた空間を作り出しました。ボイラーの交換や暖房パネルの設置など、家としての機能性にもこだわっています。
住み慣れた空間を生まれ変わらせる実家のリノベーション
実家をリノベーションすることで、建て替えよりも費用を抑えながら、耐震性や断熱性などの住宅性能を高められます。さらに、補助金制度の活用や固定資産税対策、相続税対策などの恩恵を受けられるケースも多いです。慣れ親しんだ住まいを活かしつつ、家族のライフスタイルや将来設計に合った快適な住環境へと生まれ変わらせる選択肢として、実家のリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。 ただし、注意点としては、建物の耐震性や耐久性をしっかり調べ、ライフスタイルに合わせた間取りや設備を検討する必要があります。二世帯住宅への転用や補助金の利用などを考える場合も、自治体や専門業者とよく相談し、最適なプランを練りましょう。業者選びも非常に重要で、複数社からの見積もりや、過去の施工実績・口コミの確認が欠かせません。 本記事を参考に、実家のリノベーションをぜひ前向きにご検討ください。