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実家のリノベーションにかかる費用相場と抑える方法を解説
公開日 / 2025.6.27
更新日 / 2025.8.22
空き家となった実家を住み替えや二世帯住宅として活用する際、リノベーションが必要になるケースは少なくありません。とはいえ、築年数やリノベーションする範囲によって費用が大きく異なり、「どのくらいの予算を見積もればいいのか分からない」と悩む方も多いでしょう。 本記事では実家のリノベーションにかかる費用相場を紹介し、費用を抑える具体的な方法や利用できる補助金、申請時の注意点を詳しく解説します。 効果的なリノベーションを行いながら、家計への負担を最小限に抑えるためのヒントをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
実家のリノベーションをしたほうがよい理由

実家のリノベーションをおすすめできる理由を紹介していきます。
安全性や快適性を向上できる
築年数が経過した実家では、老朽化による雨漏りや耐震性の低下、断熱性能の不足などが懸念されます。 リノベーションを行うことで、屋根や外壁、耐震補強をはじめとした住宅の構造を強化し、安全面を向上させると同時に、断熱材やサッシを新しくして快適な住環境を手に入れることができます。
家の価値を上げられる
中古住宅の売却や貸し出しを検討している場合、リノベーションを行うことで物件の評価額が上がる可能性があります。 デザインや設備が新しくなると需要が高まりやすいため、将来的に実家を資産活用したい方にも有益です。
二世帯住宅に改装できる
実家で親と同居を始める際、既存の間取りではプライバシーの確保が難しいケースがあります。 リノベーションによってキッチンやバスルーム、出入口を分けるなど二世帯住宅向けの改装が可能となり、家族それぞれが快適に暮らしやすい環境を作りやすくなります。
実家のリノベーションにかかる費用の相場は?
次に、実家をリノベーションした場合にかかる費用相場を解説します。
築年数が経った実家をフルリノベーションする場合
築年数が30年以上経過した家をフルリノベーションする場合、構造補強や間取りの変更、屋根や外壁の修繕、設備の一新など大規模な工事が必要です。一般的な2階建て住宅(延床面積80〜100㎡程度)であれば1,500 万円以上が一つの目安とされています。 さらに、耐震補強や断熱改修などを重視すると、2,000 万円を超えるケースもあります。
水回りや内装のみをリノベーションする場合
キッチンや浴室、トイレなど水回りのみ、あるいは内装(壁紙・床材)のみリノベーションするケースでは、工事範囲が限定的なため100万〜500 万円程度の予算で済む場合が多いです。 ただし、設備のグレードや部屋数、デザインのこだわり具合によって金額は変動します。
築年数別の実家のリノベーション費用の相場
住宅の築年数が上がるほど、交換や修理が必要となる箇所が増えるため、リノベーション費用も高くなる傾向があります。以下はセキスイファミエス調べの例を参考にした、築年数別のおおよその費用イメージです。
- 築10年以内:100万〜300万円(部分的な修繕や設備交換中心)
- 築10〜20年:300万〜900 万円(内装の刷新や水回りのリフォームなど)
- 築20〜30年:900万〜1,800 万円(構造や外装も含めた改修が必要になる)
- 築30年以上:2,000万円超 (耐震・断熱・設備まるごと交換など大規模工事の可能性大)
あくまで目安なので、個々の住宅の状態やリノベーションの範囲によって大きく差が出ることを留意してください。
実家をリノベーションするための費用を抑える方法
リノベーション費用を抑えるには、工事の範囲や優先順位をしっかり考えたり、補助金を活用したりする方法が効果的です。 ここでは具体的なアイデアをいくつか紹介します。
リフォームの範囲を絞る
全ての部屋を一度にリノベーションすると大きなコストがかかります。耐久性が問題ない部屋や、まだ使える設備は残し、重点的に改修したい部分(例えば水回りや居住空間など)だけに絞ると費用を最小限に抑えられます。
減税制度を利用する
住宅ローン減税など、リフォームやリノベーションでも適用される減税制度があります。 また、耐震改修や省エネリフォームを行うと固定資産税の減額措置が受けられる制度もあるため、自分のプランが減税対象となるか確認しておくと良いです。
ローンを組む
大規模なリノベーション費用を一度に捻出するのが難しい場合、住宅ローンやリフォームローンを活用すると、負担を月々の返済に分散できます。金融機関によって金利や条件が違うので、複数のローンを比較検討しましょう。
二世帯住宅にして両親と同居する
実家に戻って両親と同居する予定がある場合、リノベーションを二世帯住宅仕様にすることで費用をシェアできる可能性があります。親と子世帯でコストを分担し、双方の生活に適した改修を行えば、長期的には負担軽減と生活利便性の両立が期待できます。
実家のリノベーション費用に使える補助金の例

リノベーション費用を抑えるためには、国や自治体が提供している補助金制度も検討すべきです。条件を満たせば工事費用の一部が賄われる可能性があり、経済的負担を軽減できます。
介護保険
要介護認定を受けた高齢者が住む住宅に対し、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー改修が適用範囲となる場合、介護保険から一定額の補助が出ることがあります。 詳しい対象工事や上限額は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。
子育てグリーン住宅支援事業
一定の省エネ性能を満たすリフォームを行うことで補助金を受けられる制度です。子育て世帯や若年夫婦世帯を対象とした加算制度などがあり、断熱リフォームやエコ設備の導入費用を一部支援してくれます。
給湯省エネ2025事業
給湯器の高効率機器への交換など、省エネルギー性能の向上を目的とするリフォームに対して補助が得られる場合があります。省エネ性能を証明するための書類準備が必要なので、工務店やリフォーム業者と相談して手続きを進めましょう。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
窓の断熱改修や外壁・屋根の断熱工事などを支援する事業で、住宅の省エネ化を促進するのが目的です。 助成を受けるには施工前後の断熱性能を示す書類や、対象工事の要件を満たすことが必須です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅を長期優良住宅並みの性能に引き上げるリノベーションを行うと、国土交通省から補助が受けられる制度です。 耐震性や省エネ性能、劣化対策など複数の評価項目をクリアする必要があり、申請書類の作成に専門的な知識が求められます。
住宅リフォーム助成事業
自治体ごとに用意されている場合があり、バリアフリー化やエコリフォームなどを対象とする助成金が設けられています。地域によって上限額や適用工事が異なるため、役所や自治体ホームページで詳細を確認しましょう。
民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度
地震に対して脆弱な住宅を耐震改修する際に補助を受けられる場合があります。築年数が古い実家の場合、耐震性能が不足しているケースが多く、耐震診断や改修工事にかかる費用を自治体が一部負担してくれる制度があるかもしれません。チェックしてみるといいでしょう。
実家のリノベーションで補助金を申請するときの注意点
使える可能性のある補助金について説明しましたが、申請時の注意点があります。
注意点①申請期限を確認する
補助金には募集期間や事業年度が設定されており、期限内に申請しないと対象外となる場合が多いです。工事を始める前に申請しなければならない場合もあるため、スケジュールを逆算して行動する必要があります。
注意点②申請のタイミングを守る
特に補助金の中には「着工前に申請が必要」とされるものが多く、工事が始まってから申請しても間に合わないことがあります。リノベーション業者と打ち合わせし、補助金の申請スケジュールを把握したうえで、着工時期を調整することが大切です。
注意点③申請すれば必ずもらえるわけではない
補助金は予算枠が設けられている場合があり、先着順や抽選になるケースも見られます。 また、要件を満たしていても書類不備や期限違反で受け取れないこともあるため、確実な支給を想定するのではなく、あくまで「もらえたらラッキー」という意識を持つのがリスク回避につながります。
費用相場を把握し補助金の活用も検討しよう
実家のリノベーションは、築年数や工事内容によって費用が大きく変動し、フルリノベーションの場合は1,500 万円以上、部分的なリフォームなら100万~500 万円程度が目安とされています。 築年数が古いほど大規模改修が必要となりやすく、コストが高くなる一方、実家をリノベすることで安全性・快適性や家の資産価値を高められるメリットも得られます。 費用を抑えるためには、リフォームの範囲を絞る、保険や減税制度を利用する、そして補助金の活用を検討することが大切です。申請期限や要件を事前にチェックし、時期を逃さないよう注意しながら計画を進めましょう。