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リノベーションで耐震性は上げられる!工事の種類を解説

公開日 / 2025.7.10
更新日 / 2025.8.22
リノベーションの需要が高まる中で、建物の耐震性を強化するリノベーションが注目されています。 築年数が経った住宅や中古物件を購入する場合、耐震診断や耐震補強の要・不要を検討することは非常に大切です。 耐震性を確保しないまま大きな間取り変更や設備更新を行うと、安全面でリスクが残ったまま快適性を追求することになってしまいます。 本記事では、リノベーションと耐震補強のポイントや耐震診断の受け方、さらに工事の種類や助成金制度の例を解説していきます。 地震大国である日本においては、住宅が持つ耐震性能が家族の暮らしを左右するといっても過言ではありません。 リノベーションを機に、建物の機能面やデザインを向上させるだけでなく、しっかりと耐震性を確保しておけば、安心して長く住み続けられる住まいを実現することが可能です。
耐震補強リノベーションが必要な基準は?

リノベーションでは間取りの変更や設備の更新だけでなく、住宅の強度や耐久性を高める補強工事を同時に行うかどうかが重要な判断点となります。 特に旧耐震基準(1981年6月以前の建築確認)で建てられた家や、増改築を繰り返している家の場合は、耐震補強が強く求められることがあります。 1981年6月に耐震基準が大幅に改正され、新耐震基準が施行されました。 改正前は「旧耐震基準」と呼ばれ、現在の基準と比較すると地震に対する安全性が十分とはいえない可能性があります。 昭和56年以前に建てられた家は、リノベーションの際に耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を検討することが望ましいです。 大地震による被害歴がある家は、柱や梁、基礎などにダメージを負っている場合があります。 修復歴があるかどうか、修復の程度や方法などを把握し、再度耐震診断を受けるのが安心です。 目に見えない部分にクラック(ひび割れ)や変形が生じているかもしれません。 また、増改築や間取り変更によって、構造上必要な壁や筋かいが撤去されたケースや、荷重バランスが崩れているケースも見受けられます。 リノベーション時に改めて構造検討を行い、必要に応じて耐力壁を追加や、接合部に補強金物を取り付けることが推奨されます。 参照:国土交通省|建築:住宅・建築物の耐震化について
リノベーションをするか迷ったら耐震診断を受ける
実際にリノベーションを検討している場合でも、自宅や購入予定の中古物件がどの程度の耐震性能を持っているのか把握していなければ、どんな工事が必要なのか判断できません。 そこで役立つのが耐震診断であり、専門家が建物の構造体や基礎を調査し、地震に対する安全性を客観的に評価してくれます。
診断内容と診断箇所
耐震診断では、建物の図面確認や現地調査をもとに、以下のような要素をチェックします。 【チェックをする要素】
- 柱や梁、壁、基礎の状態:ひび割れ、腐食、ゆがみなど
- 金物の有無:筋かいや接合部の補強状況
- 荷重バランス:荷重を支える壁の配置や強度
- 劣化状況:雨漏りやシロアリ被害、塩害など
診断結果を踏まえて、耐震等級や必要な補強内容が提案されます。 診断方法には「一般診断」や「精密診断」があり、より正確な結果を得るには精密診断を行うのが一般的です。
診断費用
耐震診断の費用は、住宅の規模や診断内容の詳細さによって異なりますが、一般的には 5万~20万円程度 が目安です。 自治体によっては耐震診断の費用を助成する制度があるため、事前に確認してみると良いでしょう。 また、住宅ローンの借り入れやリノベーションの計画時に、耐震診断を受けることで補助金や減税措置の対象となる場合もあります。
耐震リノベーションの種類と費用相場
耐震リノベーションにはさまざまな工法や工事があり、建物の構造や劣化状況、築年数などに応じて最適な補強方法を選択します。 以下では主な工事内容とおおよその費用相場を紹介します。
屋根葺き替え工事
重い瓦屋根を軽量な屋根材(ガルバリウム鋼板など)に交換する工事です。 屋根の軽量化によって、建物にかかる地震時の揺れを軽減できます。 【軽量な屋根材(ガルバリウム鋼板など)に交換する工事】
- 費用相場:50万円~200万円程度
- メリット:建物上部の荷重減少による耐震性能向上、雨漏り対策も兼ねられる
- デメリット:既存屋根の撤去費用や下地補修が必要な場合は費用が増加
外壁やりかえ工事
モルタルやサイディングなどの外壁材を新たな外壁材に交換する工事です。 下地材の補修や耐力壁の補強などが同時に行われる場合が多いです。 【外壁材を新たな外壁材に交換する工事】
- 費用相場:80万円~300万円程度
- メリット:外壁の耐久性アップや断熱性の向上
- デメリット:足場設置や廃材処分などでコストがかさむ
間仕切り壁の追加・補強工事
建物の耐力壁が不足している場合に、筋かいや耐力壁を追加して構造を強化します。 大きな空間を複数に分割する際にも行われる工事です。 【大きな空間を複数に分割する際にも行われる工事】
- 費用相場:10万円~80万円程度(壁面の面積による)
- メリット:壁で建物を支える力が強化される
- デメリット:間取りが変わってしまう
構造体接合部への補強金物設置
柱と梁や土台など、構造体の接合部に金物を取り付けることで、地震の横揺れに対する抵抗力を高める工事です。 【地震の横揺れに対する抵抗力を高める工事】
- 費用相場:1箇所あたり1万~5万円程度
- メリット:木造住宅の弱点となりがちな接合部を補強できる
- デメリット:壁や床を開口して施工する必要がある
基礎補強工事
基礎にクラックがある場合や、布基礎の強度が不足している場合に行われます。 コンクリートを巻き足し、鉄筋を追加するなどで基礎の強度を高めます。 【布基礎の強度が不足している場合に行われる工事】
- 費用相場:50万円~300万円程度
- メリット:根本的に建物全体の耐震性を向上
- デメリット:大規模な工事となるため費用が高くなりがち
シロアリ被害箇所の補修・防蟻工事
木造住宅にとってシロアリ被害は耐震性を損なう大きな要因です。 被害箇所の交換や補修、防蟻処理を行うことで、構造の強度を維持します。 【被害箇所の交換や補修工事】
- 費用相場:10万円~50万円程度(被害状況による)
- メリット:木材の腐食を防ぎ、耐久性を確保
- デメリット:被害が深刻な場合は大幅な木材交換が必要になる
耐震リノベーションをする際に使える補助金の例

リノベーションによる耐震補強を行う際、自治体や国の制度を活用すれば費用負担を軽減できます。 以下は一例ですが、住んでいる地域や工事内容によって異なるため、必ず自治体や専門家に確認しましょう。
木造耐震改修工事への助成
木造住宅の耐震改修工事を行う場合、自治体によっては数十万円程度の補助が出ることがあります。 たとえば、新宿区では「木造住宅耐震改修工事等助成制度」があり、条件を満たした場合に補助が受けられます。
木造住宅耐震補強工事助成
中野区などが実施している助成制度で、耐震診断の結果をもとに耐震補強を行う場合、一部費用が助成されるケースがあります。 申請手続きや施工条件に注意が必要です。l
住宅の耐震改修工事等の助成
練馬区などでも同様に、耐震改修工事の費用を補助する制度が設けられています。 エリアによって補助金額や要件は異なるため、事前に情報収集しましょう。
リノベーションによる耐震の工事は安全な暮らしに不可欠
リノベーションによって耐震性を向上させることで、大地震から家族の命や財産を守りながら、快適で安心な住まいづくりが実現できます。 旧耐震基準の住宅や長年メンテナンスをしていない家の場合、耐震診断を受けて必要な補強計画を立てることが第一歩です。 具体的な施工内容には屋根の軽量化や外壁のやりかえ、筋かいの追加、金物補強、基礎補強など多岐にわたり、費用相場も工事規模や建物の状態によって大きく変動します。 また、自治体による補助金や助成制度を活用すれば、工事費の負担を軽減できる可能性があります。 リノベーションを機に耐震性能を高めれば、家そのものの価値も向上し、将来の資産形成にもつながるでしょう。 工事を検討する際は複数の専門業者から見積もりを取り、耐震診断を含めたトータルな提案を比較検討することが重要です。