Contents
リノベーションのメリットを徹底解説!
公開日 / 2025.8.4
更新日 / 2025.8.22
近年、中古住宅や実家を「リノベーション」して住むケースが増えています。新築よりコストを抑えながら自分好みの間取りやデザインに変更し、家全体を刷新できるのがリノベーションの特徴です。 一方で、リフォームとの違いや、実際にリノベーションを行う場合のメリット・デメリットが気になる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、リノベーションの基本から得られるメリット・デメリット、戸建とマンションそれぞれの特徴、そして実際の進め方を解説します。中古物件の活用や実家の資産を大切にしながら、より快適な住まいづくりを検討されている方にとって、参考となる情報をお届けします。
リノベーションとは?リフォームと何が違う?
リノベーションとは、既存の住宅に大規模な改修や間取り変更を加えることで、新築同様の性能や価値を高める工事を指します。古い建物をまるごと再生し、生活様式やデザインの自由度を高める点が大きな特徴です。これに対してリフォームは、老朽化した部分や故障箇所を修繕し、原状回復を目指す工事を意味します。たとえば、外壁の塗り替えやキッチン機器の交換などがリフォームに当たります。 一般的には、リフォームは部分的な修繕・改修が中心であるため、工事期間も費用も比較的少なく済むことが多いです。一方のリノベーションは建物の構造や間取りにまで手を加えることが多いため、大規模な工事となるケースがあります。結果として、 工期も長くなりやすく、費用も高額になる可能性があるものの、同時に住まいの価値を大幅に向上させられる点が魅力です。 リノベーションでは、見た目や設備だけでなく、 構造体の耐震補強や断熱性能の向上を合わせて行うと、長期的な安心と快適さが得られます。特に築古の物件では耐震基準が旧基準の場合もあるため、リノベーションに合わせて耐震診断を受け、必要な補強を施すことで安全性を格段に高めることができます。
リノベーションのメリット

リノベーションの最大の魅力は、「既存の建物を生かしながら新たな価値を付与できる」という点にあります。以下では主なメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット①物件の選択肢が増える
リノベーションを前提とすれば、築年数が古い中古物件や実家なども候補に入ります。中には、立地は良いが築古で敬遠されていた物件を低価格で手に入れ、リノベーションによって快適な住まいに生まれ変わらせる例も見受けられます。新築しか考えていない場合より、物件探しの選択肢が広がるという点は大きなメリットです。
メリット②新築よりも費用を抑えられる
新築住宅を一から建てる場合、建物本体の建設費や土地代のほかにも、多くの費用がかかります。リノベーションならば、既存の建物を有効活用することで新築よりも費用が抑えられるケースが多いです。ただし、 劣化部分の修繕費用や追加工事が必要な場合、想定外の出費が発生する可能性もあるため、事前の調査と見積もりが重要です。
メリット③間取りやデザインの自由度が高い
リノベーションでは、内部の間取りを思い切って変更したり、デザイン性の高い内装に変えることが可能です。天井を高くして開放感を出したり、部屋数を減らして広いリビングを作ったりと、ライフスタイルに合わせた自由な発想を取り入れられます。デザイン面でも既存の梁や躯体を生かしたインダストリアル風や、古民家の趣を残した和モダンなど多様な表現が可能です。
メリット④節税になる
固定資産税や都市計画税は建物の評価額によって変わります。築古物件の場合、評価額が低いため固定資産税の負担が新築より少なく済むケースが多いです。また、リノベーションに伴い 取得できる補助金や減税制度を活用することで、さらに経済的なメリットを享受できます。
メリット⑤省エネ住宅にできる
既存の住宅は断熱性や気密性が低い場合があります。リノベーションを機に断熱材を追加したり窓をペアガラスに変更するなど、省エネ住宅への改修を同時に行うことができます。暖房・冷房負荷が減るため光熱費を削減でき、居住環境の快適性も向上します。
リノベーションのデメリット
リノベーションには多くの利点がある一方、計画や予算管理が不十分だとトラブルを招く可能性もあります。ここでは代表的なデメリットを挙げていきます。
デメリット①想定外の費用がかかることがある
築古物件や構造が不明な家をリノベーションする際、解体して初めてわかる問題(シロアリ被害、構造の腐食など)が見つかるケースがあります。その修繕費用が想定を上回り、当初の予算を大幅に超えてしまう可能性があります。
デメリット②建物の寿命が短いことがある
築古物件の場合、ベースとなる構造や基礎の寿命が近い可能性があります。リノベーションを施しても、建物自体が持つ耐用年数を大きく伸ばすのは難しい場合があります。耐震診断や基礎補強などを実施しても、最終的に新築ほどの長寿命を期待できないことも考慮しましょう。
デメリット③住むまでに時間がかかる
リノベーション工事は大規模になりやすく、施工期間が数か月~半年程度に及ぶことがあります。特に既存の構造や下地を確認しながら工事を進めるため、状況によっては予定以上に時間がかかるかもしれません。
デメリット④ローンの金利が高くなる傾向がある
リノベーションでローンを組む場合、新築住宅ローンよりも適用金利が高めに設定される傾向があります。また、物件の担保評価が低い場合は借入額が制限されることもあります。金融機関によってはリノベーション向けのローンや補助金を提供していることもあるため、比較検討が必要です。
デメリット⑤段階的に行える
「段階的リノベーション」は、資金計画や生活スケジュールを調整しやすい反面、その都度工事期間が発生します。短期的に集中して進める場合よりも、長期的に工期が分散してしまうため、暮らしに支障が出たり、トータルでみると割高になる可能性も否定できません。
戸建リノベーションと中古マンションリノベーションの違い

戸建リノベーションは、敷地や構造の自由度が高い分、解体や施工範囲が広くなる傾向があります。一方の中古マンションリノベーションは、躯体や共用部に手を加えられない制限があるものの、共有施設や管理組合があるためメンテナンス面では安心です。 戸建リノベーションでは耐震補強や外構工事、屋根・外壁の改修など、建物全体を見直せる利点がある反面、費用がかさむ可能性があります。中古マンションの場合は水回りの位置を大幅に変えられないなどの制限がありますが、専有部分内での工事には集中できるため、工期や費用が比較的わかりやすい利点があります。
リノベーションの流れ
リノベーションの一般的な進め方は、以下のようなステップを踏みます。事前準備がしっかりしていればトラブルを避けやすくなります。
- 物件探し・現況調査 リノベーションに適した物件を選ぶには、立地・築年数・構造種別などを考慮。さらに専門家による現況調査を実施して問題点を洗い出します。
- プランニング・設計 依頼先の設計事務所や施工会社と相談しながら、間取りやデザイン、設備の仕様を決定します。耐震や断熱、配管や配線の更新も合わせて検討します。
- 見積もり・契約 決定したプランをもとに工事費用の見積もりを取得。内容を十分に確認して契約を結びます。場合によっては複数社から見積もりを取り、比較することが大切です。
- 解体・施工 工事がスタートすると、まず不要な壁や設備の解体を行い、構造や配管を確認します。その後、本格的な施工に移り、内装や設備の取り付けなどを進めます。
- 完成・引き渡し 工事が完了したら最終チェックを行い、引き渡しとなります。アフターメンテナンスや保証内容を確認し、住み始めた後の不具合対応なども検討しておきましょう。
リノベーションのメリット・デメリットを把握したうえで実施を検討しよう
リノベーションは古い住宅や実家、中古マンションを大きく生まれ変わらせる手法です。新築に比べてコストが抑えられ、物件選択の幅が広がるメリットがある一方、想定外の費用がかかったり、建物寿命や施工期間、ローンの金利などでデメリットが生じることもあります。 耐震や断熱などの性能向上を同時に検討すれば、快適性と安全性を兼ね備えた住まいを手に入れられるでしょう。戸建リノベーションと中古マンションリノベーションでは制限や工事範囲が異なりますが、いずれも計画段階から専門家に相談し、複数の見積もりを取るなどしてリスクを最小限に抑えることが大切です。